エストロゲンとうるおい

エストロゲンとうるおい

女性のうるおいは、女性ホルモンのエストロゲンと深く関係しています。 エストロゲンの役割は全身の健康維持。 皮膚や粘膜のうるおい、弾力を保つのもそのひとつです。 閉経が近づき卵巣機能が低下してくるとエストロゲンも減少し腟壁、腟口のバルトリン腺から出てくる自然な潤いの減少につながります。 更年期、閉経以外でも、以下のようなときにエストロゲンが減少し個人差はありますが乾燥で悩む方がいます。

  • 産後の授乳期
  • 卵巣摘出手術
  • 乳がんによるホルモン治療
  • 抗がん剤
  • 月経不順
  • お薬や治療などで月経が止まっている方

皮膚や粘膜のハリやみずみずしさを保つエストロゲンの減少よりお肌をはじめ腟や外陰部、にも同じような乾燥がはじまり様々な症状がでてきます。

  • 腟内の分泌液の減少
  • 外性器(大陰唇や小陰唇)の萎縮
  • 腟の萎縮や腟粘膜の菲薄化(ひはくか)
  • 外陰部、腟壁のコラーゲンの減少
  • 腟の伸展性や弾力性の低下
  • 腟の衛生状態を守る酸性度の低下
上記の症状が進行すると
下着が触れるだけで、かゆみ、ヒリヒリ感、擦れた感じがするなどの不快感
性交時や婦人科の検査などの少しの刺激でも出血しやすくなる
腟炎を頻繁に起こしてしまう

これらの症状は我慢して良くなることはなく、エストロゲンの減少による体の変化で起こりうることと理解し専門医に診てもらいましょう。

デリケートゾーンの洗い方

デリケートゾーンの洗い方

洗い方

乾燥しているデリケートゾーンの皮膚表面は荒れていることが多いので、石鹸を手のひらで十分に泡立てて、表面をやさしく洗浄し、ぬるま湯と水圧を弱めたシャワーですすぎます。
分泌物が溜まりやすいところやシワっぽい場所は指を沿わせて洗い流します。注意点は洗い過ぎと洗い流し不足です。液体ソープを過剰に使用しゴシゴシ洗わないように気をつけましょう。また洗浄成分が皮膚に残らないように洗い流すのもポイントです。
洗浄剤はデリケートゾーン専用ソープか石鹸がおススメです。液体ソープのワンプッシュは量が多いので泡立つ程度の最小限の量に抑えると肌に残らず洗い流すことができます。

ポイント

  • シャワーの水圧を弱める
  • 水温をぬるま湯に下げる
  • ゴシゴシこすらない
  • デリケートゾーン専用ソープ又は石鹸を使用する
  • しっかりすすぐ

保湿方法

シャワー後にYour Sideデリケートモイストボディミルクをやさしく押さえるように塗付。粘膜をさけ、強くこすったり、塗り込んだりして刺激を与えないように気をつけてください。
つけすぎにも注意しましょう。いきなり使用せず初回は必ずパッチテストしましょう。

下着とかゆみ、痛み

アンダーバストやデリケートゾーンに下着があたるだけで擦れ、かゆみ、痛みなどの不快を感じるというお悩みの声を更年期以降の方々から聞きます。
これは、更年期に限らず乾燥肌やエストロゲンが低下するような状態のときには肌や粘膜が乾燥しやすくなります。

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皮膚や粘膜の水分をコントロールする役割をもつ女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが更年期以降に減少するため、顔や体全体が乾燥する傾向にあります。デリケートゾーンも例外ではなく個人差はありますが乾燥が進むとかゆみ、こすれ、痛みなど不快な症状が現れます。

塗り方に注意!

保湿をしようとお肌にすり込む方がいますが、かえって肌を傷つけます。 清潔な手にボディミルクをとり、肌に軽く滑らせた後少し押さえてなじませるように塗るのがポイントです。

下着・衣類選び

レースや化繊素材の下着は肌表面を刺激することがあるので、コットンや肌にやさしい素材のものを選びましょう。 締め付けの高いストッキングやジーンズなどは避け、通気性よく圧迫感の少ない物を選ぶとデリケートゾーンの負担を軽くします。 生理用ナプキンなども乾燥時は擦れてかゆみの原因となる場合があります。月経の後半は布ナプキンや月経カップなど代用できるもので皮膚を休ませてあげるのも効果的です。軽度の尿漏れの方は布製の軽失禁パッドもおススメです。 監修:メノポーズカウンセラー小林ひろみ